10 Poemas de Hirata Toskiko 平田俊子

一月七日 旅に出よう 詩を書くためにだけ旅に出よう そう決めたのに一回目から早くも挫折 夕暮れどきの丸ノ内線に 臆面もなく腰掛けている 中吊りの 女性雑誌の広告は 横書きのピンクの文字が目立つ わたしとの接点何もなく じっと見ていると 自分が男になった気分 男になろう 旅に出るのが難しいなら 詩を書くためにだけ男になろう そう決めたわたしの耳に 「寂しいから犬のトルソーを買ったの」という細い声 そうか 寂しいとき女はトルソーを買うのか 買ったトルソーを抱いて寝るのか トルソー=首及び四肢を欠く胴体だけの塑像(広辞苑) そんなものを買うのが喜びなのか 男のからだも女のからだも 丸ノ内線は等しく運ぶ けれどもゆれを感じる場所は ひとりずつ 微妙に違っている 男の駅 女の駅 男の駅 女の駅 電車は順に停車する 男の駅 女の駅 男の駅 女の駅 車体は次第に赤みを帯びる 男の駅 女の駅 男の駅 女の駅 いつしかお客は犬のトルソー The Seventh of the First Month I’ll go on a journey I’ll go on a... Continue Reading →

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